集中力  句会には締め切りがある

句会には締め切りがあります。

だいたい全員の句を見終わってからまもなくで締切です。

 

句会では次から次と句が回ってくるのでじっくり読んでいる暇がありません。

にもかかわらず、締め切りが早いのです。

 

しかし、人間いついつまでに選ばなければいけない、と追い込まれるとすごい力を発揮するものです。

私は今まで選句ができなかったという人を見たことがありません。

 

見た瞬間に句を選別する作業を繰り返していくのが場合によっては2,3時間続きます。この間、ものすごい集中力を発揮しています。

 

この集中力は実生活でも役に立っているようです。

何時までに寝たい!と思うとそれまでに片づけなければいけない雑用をものすごいスピードで片づけられます。

私にとっては寝ることが最も重要なのです・・・

 

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敏感力  当季雑詠

先にもお話ししましたが、俳句はその時の季節を詠みます。

微妙な季節の流れに沿って詠むので、1カ月ずれただけでも違和感があります。

 

にもかかわらず、真冬に夏の句を持ってきたりする人がたまにいます。

本人的には、どこかの賞に応募したいので見てほしいとか、何らかの理由があるのかもしれませんが、それも伝えないで出されると「空気読めないやつ」と思われてしまいます。

 

たとえ、理由を伝えたところでやっぱり違和感が残ります。

俳句は生物です。

作っておいて溜めておくものではないのです。

 

自分が感動した話はその時に話したいのと同じです。それを時間がたってから話しても自分がその感動を忘れているので伝わりません。

 

でも逆にそうすることで、自分は今日どんな事に感動しただろう?ととどまってみる癖がつきます。

度胸力  披講されたら名乗る

選句が終わると、披講をします。

みんなが選んだ句を順番に読み上げていくのです。

ここで、自分の句が読み上げられると作者は名乗りを上げます。

 

大きい会場だと大きな声で名乗らないと聞こえません。

みんなの前で大声を上げるはとても勇気がいります。

でも、ここで名乗らないと句会のリズムを崩してしまいます。

 

思い切って名乗ると「おぉ、あの人の句か」と感嘆の声がおこったりします。

 

意外に思われると、自分の新しい一面を知ってもらえたようで嬉しくなります。

詠み上げられたということは自信を持っていいのです。

 

会社生活をしていると、自分の説を曲げざるをえなかったり、へりくだったり、大変な思いをしますが、ここではありのままの自分を認めてもらえます。

 

心の微調整をするのにとてもいいのです。

選択力  選句は名前が分からない

句会には名前を伏せて句を出します。

ですから、どの句が誰のものかわからない状態で選句をします。

 

自分の選択能力も試されるし、本当にいいものが選ばれます。

 

私が行っている大きな句会では100名くらい集まって句会をやります。

何百もある句の中から選ぶのはとても大変なのですが、本当にいい句は必ず高得点が付きます。

 

長年俳句をやっている人間には、本当にいい句が分かるのです。

ほんのちょっとした季語の選び方、言い回し、その絶妙さを読みとるのです。

 

自分の句が選ばれなくても、自分の選んだ句が高得点になったりすると、自分の選択眼に自信が持てます。先生はそれをうまい言葉で解説してくれて、さらに嬉しくなります。

 

売れる商品にもこういう絶妙さがあるはずで、そのもやもやした思いを言葉で表現できた時は特に嬉しいものです。

思いやり力  批判はしない

句会はそんな風に議論を戦わせることもありますが、決して批判をする場ではありません。

 

その作品がどうしたらもっとよくなるのか、意見を出し合う場です。

 

俳句の鑑賞に正解はありません。

だから相手の意見を否定するなどありえないのです。

 

中には自分と違う考え方の意見もあります。

でも、それはそれで、そういう考え方もあるね、と聞いておけばいいのです。

 

建設的に築いていく場です。

 

会社の会議はどうでしょう。

お互いの利害が対立して、けんか別れとかよくありますね。

根回しって何でしょう。

何のための話し合いなのでしょう。ちょっと考えさせられます。

 

徹底力  句会は営業会議

句会の状況にもよりますが、少人数の場合には、一つの句について徹底的に議論することもあります。

 

この内容にこの季語は合っているだろうか、リズム感が悪いんじゃないか、漢字で書くのとひらがなとどっちがいいだろう、など。

 

最初、この句会の状況を見たときは、なんて細かいんだろう・・・と思いましたが、そこまで突き詰めるからいい句が出来上がるのだとわかりました。

 

やはり何となくでは人を感動させられないのです。

芭蕉も自分の句を何度も推敲して作り上げていたようです。

 

スティーブ・ジョブズはその天才的なプレゼンをするために、何度も何度も練習していたと聞きました。

 

その商品がどうしたらよくなるか徹底的に追及する、物事にはそういうエネルギーが必要です。

 

アウトプット力  出句と選句は同じ数

句会の時はだいたい3句~5句くらい自分の句を出します。

  そして人の句を読んで、いいと思う句を選ぶのですが、選ぶ数は自分が出した数と同じです。

 

  これはいい教えです。

  自分が何かインプットをしたら、それと同じだけアプトプットしなければいけないということです。

 

  私たちは普段、人から情報を得たり、本を読んだりしてもそれを自分の中に出し惜しみしています。

  人に教えてあげるということをなかなかしません。

  

自分が苦労して覚えたことを、何でやすやすと人に教えられようか・・・

  その気持ちもわからなくはありませんが、手放さないと新しいものも入ってきません。

  教えて感謝されるという喜びも味わえません。